男性不妊の治療

不妊治療で産まれた男児への男性不妊の遺伝リスク

sn-genetransfer

「男性不妊は遺伝する!」こんな言葉を耳にしたことがある人は少なくないと思います。

男性不妊の治療や検査を行った人、その途中の人からすると少しヒヤッとする言葉ですね。今回はそんな男性不妊と遺伝の実態を詳しく紹介してみたいと思います。

男性不妊は遺伝する

そもそも、男性不妊の疑いがある人の24%はY染色体と呼ばれる遺伝子のグループに異常があることが解明されています。それは世間でも多く知られている事実ではありますが、今回はそんな異常が生まれてきた子供にも遺伝するのか否か。

男性不妊”自体”が遺伝するわけではない!

「不妊の遺伝」という言葉で勘違いされることが多いのは、「不妊治療をして治療のかいあって授かった子供は不妊になりやすい!」と流れ。

しかし、これを男性不妊による遺伝とは言いません。

コレに関しては列記とした親から授かる身体的な特徴であり、これを不妊の遺伝というわけではないんです。つまり、「なかなか子供が授かれない男性の子供は不妊が遺伝される」という問題ではないんです。

では、何に対して男性不妊の遺伝が問題視されているのか?それは、不妊治療の1つである「顕微授精(ICSI)」による遺伝なんです。

顕微授精(ICSI)で妊娠させた子供に不妊遺伝の可能性あり

顕微授精(ICSI)とは体外受精の1つで、今ではかなり有名な男性不妊不妊治療です。

体外受精=顕微授精(ICSI)ではなく、体外受精の中の1つに顕微授精(ICSI)が存在しています。

・体外受精
採取した卵子に精子を体外で自然に受精させる方法。
・顕微授精(ICSI)
採取した卵子と精子を体外で人工的に受精させる方法。

簡単に説明すると、上記の通りなんですが、顕微授精(ICSI)という不妊治療に対してだけ不妊が遺伝してしまう可能性があるんです。

顕微授精(ICSI)が余計な遺伝子情報も伝えてしまう

顕微授精(ICSI)は卵子に対して直接精子を注入させ、受精させる技術なんですが、これが自然に受精する時とは伝達される情報が異なるんです。

精子が卵子に受精する際に、精子が持っている全ての遺伝子が伝達されるわけではないんですが、人工的に無理やり受精させることで、伝える必要もなかった情報も伝えてしまう”カモ”しれないんです。

あくまでも”カモ”なので、確立したリスクではありません。しかし、多くの症例や研究からその確率はかなり高いものとして示唆されているんです。

顕微授精(ICSI)の技術はまだ20年くらいしか経過していない

研究者が高確率としているものの、確立したものではないのは、顕微授精(ICSI)という不妊治療の導入期間が短いから。

要は、顕微授精(ICSI)によって生まれた子供達はまだ不妊という壁にぶち当たっていない世代になります。

そのため、研究によって確率が高いという数字がでたとしても、まだ統計として現れていないんです。これが数十年後に「男性不妊増加」というデータが現れれば、顕微授精(ICSI)による男性不妊は遺伝されるというリスクが確率してしまうという状況になっています。

ちなみに、今の段階でこの遺伝は男の子だけによるものになています。

顕微授精で奇形児などの確率は変わらない。

デリケートなことだけに顕微授精(ICSI)に対してのリスクが少し匂わされるだけで、世間が騒ぎ立ててしまいますが、顕微授精(ICSI)自体はとても素晴らしい不妊治療方法でもあります。

事実、顕微授精(ICSI)で受精して誕生した子供に対して先天性の異常などは自然妊娠の確率と変わりはありません。

それほど完璧といえるまでの不妊治療方法であることは確かなんです。

しかし、そういった治療を受けてやっと子供を授かれた親(男性)にとって我が子にまたこんな思いをさせてしまう・・・という念があることから、顕微授精(ICSI)による男性不妊の遺伝が問題視されているという風に管理人は思います。

不妊遺伝の研究と報告

研究によると14歳時点では生殖機能は正常

イギリスの研究によると、顕微受精によって産まれた男児の生殖機能は14歳の時点で正常に保たれているとされています。この研究の時点では顕微受精で誕生した子供の最長年齢が14歳であったため、14歳が時点になっています。

ICSIで誕生した男の子の多くは14歳の段階で正常値しており、血清インヒビンBの有意に増加しています。深刻な危険にさらさ精子形成と父親からICSIの青年は、通常のspermatogramsと父親のものよりも低いインヒビンBもありません。

※原文(英文)を和訳しています。

引用:Serum inhibin B concentrations in pubertal boys conceived by ICSI: first results. – PubMed – NCBI

この論文のように血液検査によって現段階では問題ないとされています。

薬指を指標にする生殖能力判定では低い数値

これもいグリスの研究グループが行った試験結果なのですが、顕微授精で産まれた男の子は薬指の長さが自然妊娠で産まれた男の子よりも短いということがわかったそうです。

ロンドンのInstitute of Child Healthの小児科医グループは、顕微授精によって出生した195人の子どもと自然妊娠によって出生した211人の子どもを対象に、6歳時点の健康状態を調べたところ、身長はほぼ同じであったにもかかわらず、顕微授精で生れた男児の指の薬指が自然妊娠で生れた男児のそれよりも短いことが分かりました。

引用:【妊娠しやすいカラダづくり】顕微授精によって男性不妊が子に遺伝するおそれ

薬指の長さは男性ホルモン(テストステロン)と深い関係があり、その長さに比例して数値も高いという報告は世界的にも有名です。

これが直接的に不妊に繋がるわけではありませんが、この指標によって生殖機能や能力の判断すると顕微授精の子は少し低いかもしれないという内容です。

男性不妊治療はタバコ(喫煙)を止めることから始まる!

タバコと男性不妊

「百害あって一利なし」と言われているタバコですが、その百害の中に男性不妊が含まれていることをご存知でしょうか?

まぁ現代においてタバコで何かプラスされる健康効果は一切存在していないことは多くの人が知っていると思います。しかし、煙草によってどんな健康被害が起こっているかを知っている人は少ないのではないでしょうか。

ただただ健康被害があるという一括りで終わりにしています。

タバコは男性不妊を進行させている1つの原因です。

男性側の原因で子供を授かれない状態にある人は何よりも先にタバコを辞めましょう。タバコを吸っている男性不妊症の人からすれば禁煙自体が男性不妊治療の1つと言えるくらい絶大的な効果を与えてくれるわけですから。

それでは今日はタバコ(喫煙)と男性不妊について詳しくご紹介しましょう。

タバコは精子の数と質を低下させる

「何となくタバコが精子に影響しているのかな~」と思う人はいると思いますが、何となくではなくモロに影響しています。

これは喫煙者と非喫煙者を被験者にした実験でも証明されています。

以下の喫煙と精子の関係を表した実験結果

Table-1.-2014.5.20

画像引用:たばこと男性不妊 第1話ブログ|泌尿器科医 岡田 弘 オフィシャルサイト

簡単に言うと、「タバコを吸っている人と吸わない人では精子の数と精子の運動率が違い、喫煙者のほうが精子に悪影響を及ぼしていました。」という結論に至った実験です。

タバコの成分であるニコチンが主に精子の質・数に影響を与えていて、ニコチン濃度によっても数値の差が大きく現れています。

つまり、タバコが男性不妊を斡旋させているとともに、ヘビースモーカーであればあるほど不妊に悪影響を及ぼしているんです。

タバコが精子のDNAを傷つける

精子の質と数にも影響するタバコですが、精子が持つDNAに対しても喫煙は影響を与えています。

これはタバコが持つ特性である強い酸化ストレスが精子のDNA構造を傷つけるからと言われています。

もともと、タバコを吸う・吸わないにかぎらず、一定の割合でDNA構造が損傷している精子は存在しています。しかし、その割合が喫煙者と非喫煙者では大きく異なるんです。

精子のDNAは不妊という意味合いでは、質・量ほど深く関係はしていませんが、DNA構造が損傷している精子が受精することで、正常な胎児になるず流産してしまうリスクが高くなります。

全く妊娠させることができないという不妊というよりは、妊娠しても流産してしまうという場合は、喫煙が精子に与えている悪影響が理由という場合もあります。

タバコが原因でEDになる

男性不妊の原因は精子の問題だけではありません。EDによって性行為が円滑に行えないという状況も男性不妊の1つとされています。

精子と卵子が受精する以前の話にはなりますが、近年において男性不妊の原因として「ED」は急激に増えており問題視されています。

タバコは男性の血流に大きく関係しており、血流の低下は勃起に対して悪影響を与えEDを斡旋してしまうんです。

「タバコを吸っているけど血流に問題はない!健康診断で指摘されたことはない!」という男性も多くいますが、EDに陥る血流の問題は目に見えてわかる健康被害以前に現れるものです。

これは心臓や脳などの血管よりも男性器付近の血管のほうが細く入り組んでいるからだと言われています。

つまり、タバコによる血管・血流への影響は生命に関わる太い血管よりも男性器などに関与している細い血管の方が早く症状とし現れるんです。

だから、見た目上の健康被害が出ていなくてもEDになるという現象が起こりえるのです。

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる特性があり、この習慣的な収縮が血管を硬くし、細くしてしまい血流を悪化させているんです。

喫煙者による副流煙が妻も不妊にさせている

タバコは吸っている喫煙者だけが悪影響を及ぼすものではありません。

これが副流煙と言われているわけですが、タバコの特性上まわりにいる人も少なからず悪影響を及ぼす煙を吸うことになります。

そして、その副流煙を1番身近で吸い込む人物が「妻(奥さん)」になります。

男性でもタバコによって不妊が進んでしまうわけですから、副流煙とは言えど女性が同じ煙を吸い込むと女性不妊にもなってしまうのは当然です。

男性の喫煙が自身の不妊だけを進めているのであれば救える部分もありますが、男性が喫煙をすることで夫婦の不妊が進んでいるということを覚えておきましょう。

といよりも、子供が出来ずに悩んでいる夫婦でタバコを吸っているのであれば今すぐ止めましょう。

喫煙者で不妊に悩んでいるなんて自業自得なので!