男性不妊治療はタバコ(喫煙)を止めることから始まる!

タバコと男性不妊

「百害あって一利なし」と言われているタバコですが、その百害の中に男性不妊が含まれていることをご存知でしょうか?

まぁ現代においてタバコで何かプラスされる健康効果は一切存在していないことは多くの人が知っていると思います。しかし、煙草によってどんな健康被害が起こっているかを知っている人は少ないのではないでしょうか。

ただただ健康被害があるという一括りで終わりにしています。

タバコは男性不妊を進行させている1つの原因です。

男性側の原因で子供を授かれない状態にある人は何よりも先にタバコを辞めましょう。タバコを吸っている男性不妊症の人からすれば禁煙自体が男性不妊治療の1つと言えるくらい絶大的な効果を与えてくれるわけですから。

それでは今日はタバコ(喫煙)と男性不妊について詳しくご紹介しましょう。

タバコは精子の数と質を低下させる

「何となくタバコが精子に影響しているのかな~」と思う人はいると思いますが、何となくではなくモロに影響しています。

これは喫煙者と非喫煙者を被験者にした実験でも証明されています。

以下の喫煙と精子の関係を表した実験結果

Table-1.-2014.5.20

画像引用:たばこと男性不妊 第1話ブログ|泌尿器科医 岡田 弘 オフィシャルサイト

簡単に言うと、「タバコを吸っている人と吸わない人では精子の数と精子の運動率が違い、喫煙者のほうが精子に悪影響を及ぼしていました。」という結論に至った実験です。

タバコの成分であるニコチンが主に精子の質・数に影響を与えていて、ニコチン濃度によっても数値の差が大きく現れています。

つまり、タバコが男性不妊を斡旋させているとともに、ヘビースモーカーであればあるほど不妊に悪影響を及ぼしているんです。

タバコが精子のDNAを傷つける

精子の質と数にも影響するタバコですが、精子が持つDNAに対しても喫煙は影響を与えています。

これはタバコが持つ特性である強い酸化ストレスが精子のDNA構造を傷つけるからと言われています。

もともと、タバコを吸う・吸わないにかぎらず、一定の割合でDNA構造が損傷している精子は存在しています。しかし、その割合が喫煙者と非喫煙者では大きく異なるんです。

精子のDNAは不妊という意味合いでは、質・量ほど深く関係はしていませんが、DNA構造が損傷している精子が受精することで、正常な胎児になるず流産してしまうリスクが高くなります。

全く妊娠させることができないという不妊というよりは、妊娠しても流産してしまうという場合は、喫煙が精子に与えている悪影響が理由という場合もあります。

タバコが原因でEDになる

男性不妊の原因は精子の問題だけではありません。EDによって性行為が円滑に行えないという状況も男性不妊の1つとされています。

精子と卵子が受精する以前の話にはなりますが、近年において男性不妊の原因として「ED」は急激に増えており問題視されています。

タバコは男性の血流に大きく関係しており、血流の低下は勃起に対して悪影響を与えEDを斡旋してしまうんです。

「タバコを吸っているけど血流に問題はない!健康診断で指摘されたことはない!」という男性も多くいますが、EDに陥る血流の問題は目に見えてわかる健康被害以前に現れるものです。

これは心臓や脳などの血管よりも男性器付近の血管のほうが細く入り組んでいるからだと言われています。

つまり、タバコによる血管・血流への影響は生命に関わる太い血管よりも男性器などに関与している細い血管の方が早く症状とし現れるんです。

だから、見た目上の健康被害が出ていなくてもEDになるという現象が起こりえるのです。

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる特性があり、この習慣的な収縮が血管を硬くし、細くしてしまい血流を悪化させているんです。

喫煙者による副流煙が妻も不妊にさせている

タバコは吸っている喫煙者だけが悪影響を及ぼすものではありません。

これが副流煙と言われているわけですが、タバコの特性上まわりにいる人も少なからず悪影響を及ぼす煙を吸うことになります。

そして、その副流煙を1番身近で吸い込む人物が「妻(奥さん)」になります。

男性でもタバコによって不妊が進んでしまうわけですから、副流煙とは言えど女性が同じ煙を吸い込むと女性不妊にもなってしまうのは当然です。

男性の喫煙が自身の不妊だけを進めているのであれば救える部分もありますが、男性が喫煙をすることで夫婦の不妊が進んでいるということを覚えておきましょう。

といよりも、子供が出来ずに悩んでいる夫婦でタバコを吸っているのであれば今すぐ止めましょう。

喫煙者で不妊に悩んでいるなんて自業自得なので!

精子が問題で起こる3種類の男性不妊症

精子と男性不妊症

男性不妊と聞くと一般的に「精子に問題がある」と思う人も多いと思います。実際に男性不妊のほとんどは精子に関する問題が起こっていることで不妊になっています。しかし、それをもっと深く掘っていくと、色々と精子の問題にも種類があり、違いがあるんです。

「精子が有る無い」という簡単な問題で男性不妊になっているわけではないんです。

それでは、精子の問題で起こる男性不妊と種類について詳しく紹介したいと思います。

男性不妊に陥る精子の問題は大きく3種

男性不妊になってしまう精子に関する問題は大きくわけて3種類あります。

  • 無精子症
  • 乏精子症
  • 精子無力症

少し男性不妊について調べたことがある人なら聞いたことはある名前だと思います。

作られた精子、精子を作る器官、精子を運ぶ器官など精子そのものの問題だけではなく、精子に関する全ての事に対して問題がある場合、ほとんどがこの3つに別けられます。

もちろん、先天性の精子に関する症状や特別な問題から派生する精子の問題も存在します。しかし、そういった男性不妊に陥る精子の問題の8~9割以上が上記の3つに該当しているんです。

それでは、この3つの精子の問題を詳しくみていきましょう。

無精子症

無精子症とは読んで字のごとく「精子がない状態」のことです。精子の問題による男性不妊で1番重い症状になります。

と言っても、「精子が身体のどこにも存在していない」というのとは少しニュアンスが違います。

条件としては「精液の中に精子が存在しない」という状態になります。精子が精液に無ければ、種なしなわけですから、女性を妊娠させることができません。しかし、無精子症だから絶対に自分の子供を作られないわけでもないんです。

男の身体では精子は精巣で作られます。それが精管という管を通って、精液に交わって精子入りの精液が出来上がるわけです。

つまり、無精子症と診断されたとしても、その人の身体で精子が作られていないというわけではないんです。

無精子症と診断された人でも、精巣に精子が残っている場合もあるので、その精子を採取できれば人工授精という不妊技術を使えば妊娠させることは可能なんです。

精子による問題で1番重い症状ではありますが、「100%妊娠させることができない」という症状ではないんです。

乏精子症

乏精子症は精液の中に精子は存在しているが、その数が基準より少ない状態になります。

乏精子症と診断される判断基準は精液の1ml中に精子の数が1500万以上いるかいないかになります。1mlの中に1500万以下なら乏精子症と診断されます。

ちなみに、「通常(望ましい)」と判断される数値が1ml中に4000万人以上だと言われています。

数だけで見るとかなり振り幅が大きいように思えますが、男性の精子の量はその日ごとでも異なるので、一度検査しただけでは確実な診断になりまりません。

体調の変化、年齢、タイミングなどもあるので1ml中の精子の数は正確に測れないんです。

(数十mlの精液から取り出した1mlにたまたま精子がいなかったという場合もありますからね。)

つまり、乏精子症と診断された人は軽度~重度の振り幅が大きく、1つの症状だけでは全てを語れないくらい違いがあるんです。

軽度の場合などは、性行為のタイミングをアドバイスされるだけで妊娠させることができたりするレベルなので、そう考えると男性不妊と言えるのかという疑問すらあります。軽度の乏精子症と無精子症とであれば雲泥の差があると思ってください。

逆に重度の乏精子症だとより無精子症に近くなっている状態なので、男性不妊治療方法が大きく変わってくることも覚えておきましょう。

精子無力症

精子無力症は精液中の精子の数に問題はないけど、その精子に元気がない状態に診断される症状です。

よく、「精子の量」と「精子の質」という風に例えられますが、これは「精子の量=乏精子症」、「精子の質=精子無力症」という位置付けになります。

「どちらが重要なのか?」と比べてしまう人も多いと思いまうが、どちらも重要です。無精子症と比べるとはるかに「精子無力症、乏精子症の方が軽い男性不妊症」です。

精子の質というのは精子の運動率のことを主に指しています。

性行為によって精子が卵子まで辿り着き受精することが自然妊娠です。一度の射精で数億匹の精子が卵子へ向かって放たれるわけですが、受精というゴールへたどり着くのは1匹になります。(1つの卵子に2つ以上の精子が受精することはかなり稀です。詳しくは準一卵性双生児

その際に何億匹が死滅するわけですが、その中で1番運動率が高く運を持った精子が受精できるわけです。そんな過酷なレースを制さなければならない受精トライアルで、精子の運動率が低いというのは男性不妊の原因となるんです。

しかし、何億匹もいる精子が平均値として運動率が低いと判断されるため、中には運動率が良い精子も存在します。その平均的な運動率の精子の運が良ければ受精まで漕ぎ着けることができるんです。

ここからは確率的な要素になってくるので、精子の運動率が低いとなかなか妊娠させられない=男性不妊という風に診断されるんです。

男の不妊検査!これだけ知っていれば後は受けるだけ!

不妊検査

一昔前までは不妊(子供が授かれない)といえば、女性の責任という風潮がありました。その流れで、不妊検査といえば女性が行う検査という印象を抱いている人も少なくありませんでした。

しかし、常識的に考えれば、不妊は夫婦2人の問題なわけですから、原因は男性50%・女性50%にあります。

また、最近でも不妊検査を受けるのは女性が先で、その結果次第では男性が検査を始めるという流れが主流です。

効率から考えれば、二人同時に検査して結果を受けたほうが、後々の治療はスムーズに進みます。そういった意味でも男性不妊の検査は女性と同じ位置付けという意識を持っておきましょう。

それでは、男性の不妊検査について詳しく見ていきましょう。

不妊検査のタイミング

男性で不妊の検査をする人のほとんどが夫婦生活を送っているが子供ができないという状況。結婚してなかなか子供ができないという状況になって検査を受ける人が大半を占めています。

検査なので基本的にいつ受けようが、どのタイミングで受けようが関係ないのですが、不妊治療・不妊症のことを考えるなら早いに越したことはありません。

男性の不妊検査は若い時から受けるべき!

「男の不妊検査なんて結婚してからだろ!」と思っている人も多いでしょうが、将来の妊活のことを考えるのであれば、若い頃から受けるほうが絶対にいいです。

健康診断とおなじ感覚で1年に1回は不妊検査を受けることをオススメします。

そもそも、男性不妊は自覚症状がありません。仮に不妊だと診断されてからだと、不妊治療を行うほかにありません。

しかし、1年に1回検査をしていれば、検査で「少し精子の運動率が悪い」「精子の数が少ない」といった指摘があれば、生活習慣を見なおすなどの対策をすることは可能なんです。

面倒ではありますが、結婚していない人でも受けておくに越したことはありません。

検査を受けるのに1番良いタイミングは妻が検査を受ける時

男性が不妊検査を受けるのに1番良いタイミングは妻が不妊検査を受けるときです。これが1番合理的で、万が一、不妊治療を解することになった場合に役立ちます。

例えば、妻が検査を受けて不妊の可能性があり、不妊治療を行ったとします。(夫は不妊検査をしていません。)

この場合、夫が不妊である確率は不明です。そんな状況で、不妊と診断された妻だけが不妊治療を行うのは非合理的ですよね?

だって、不妊の原因は男女50%ずつなのに、片方が不妊と診断されて、もう片方は不明なわけですから。夫婦どちらも不妊だった場合、妻だけが不妊治療を行うのは無駄になりますからね。

だから、検査を受けるタイミングで1番は妻が検査を受ける時になります。

男の不妊検査はどこで受ける?

不妊検査を全く意識していない男性は「検査ってどこで受けるの?」と少し疑問に思うと思います。

男性の不妊検査を受ける方法は大きく別けて3つあります。

泌尿器科で不妊検査を受ける

最も定番なのが泌尿器科で検査を受ける方法。欲を言えば「男性不妊外来」がベストです。

泌尿器科は男性不妊検査の中で1番精密な検査が行えます。詳しい検査が行えるので、仮に「もっと精密な検査が必要」と判断された時に、他の病院や機関に回されるリスクも少ないです。

産婦人科で不妊検査を受ける

上記の検査を受けるタイミングのところで説明したとおり、男性不妊の検査を受けるのなら、妻と同時が最も理想的です。その点で言えば、妻と共に産婦人科で受けるのは手軽だと言えます。

しかし、産婦人科では泌尿器科のように詳しい検査ができないので、万が一、簡易検査で異常が診られた場合は泌尿器科で詳しい検査を受けるように言われてしいます。

夫婦同時に受けやすいですが、男性の場合は検査内容が精度がオチてしまいます。

自宅キットで不妊検査を受ける

最近では自宅に配送される不妊検査キットもあります。とても手軽で、手間もかかりませんが、検査の精度は3つの中で1番低いと言えるでしょう。

基本的に精液の中の精子の有無くらいしか確認できたいと思っていいでしょう。

男性不妊の原因はいくつもあるので、精子が有無といった検査は気休め程度だと思っていいでしょう。

男性不妊検査の方法

男性不妊の検査の基本は「精液検査」になります。精液を採取してその中にいる精子を確認するのがオーソドックスな検査方法になります。

精液を検査するので射精して精液を提出しなければならりません。その点で、億劫に感じる人が多いため、男性の不妊検査を受ける人は少ないと言われています。

精液検査

最もオーソドックスな男性不妊検査で、泌尿器科・産婦人科どちらでも行われる検査方法です。

この検査によって

  1. 精液の量
  2. 精子濃度
  3. 精子の運動率
  4. 運動の質
  5. 精子の形態
  6. 感染の有無

6つを診ることができ、これだけで多くの不妊の原因が判断できます。

提供する精液は病院で採取することもありますが、最近では自宅で採取し、持参して診てもらうというのが主流に
なっています。

この精液採取の条件が

  • 2~7日間の間射精せずに、自慰行為によって採取すること。
  • 加えて、採取してから2時間以内に診てもらうこと。

精液検査でほとんどの検査することができますが、男性の精液の状態は日によって大きく異なります。そのため、不妊の可能性があると診断されたとしても、数回受ける必要があります。

また、精液検査も提出された精液全てを検査するわけではありません。精液の一部を抽出して検査することになるので、その一部にだけ精子が存在していなかったというパターンも考えられるんです。

だから、1度の精液検査で全てがわかると思わないほうがいいでしょう。もちろん、「問題ない」と判断されれば、その段階で何度も受ける必要はありません。

診察による不妊検査

男性の不妊検査では診察も行われます。問診が主になり、不妊症に関連する病気や疾患などの診察。過去の男性器付近の外傷や強い衝撃といったことも聞かれます。

また、問診の中では性生活のことも聞かれます。勃起障害や射精障害も男性不妊の原因になるので、そういった間接的な不妊についても診察されます。

診察の中で直接、精巣(睾丸)などを診られることもあります。

精巣の触察も行う場合もあります。

内分泌液の検査(ホルモン検査)

男性不妊では男性ホルモンなどのホルモン物質も深く関係しています。よって、血中のテストステロン値、性腺刺激ホルモン(LH、FSH)といった数値を検査することも重要な不妊検査になります。

他の特別な検査

不妊検査の基本は「精液検査」「診察(問診・触診)」「ホルモン検査」の3つです。

しかし、この3つ検査で異常があると判断された場合は、もっと精密な検査が行われます。精密検査は泌尿器科でしか行われない場合があるので、産婦人科などで診断された人は紹介状などが渡されます。

1.染色体・遺伝子検査
精子の数が少いと判断された場合は染色体検査、遺伝子検査などが行われます。精子形成障害の可能性を調べるのが目的で、不妊治療を行う上でも重要な検査になります。
2.特殊検査
MRIによって精嚢や射精管の形態を調べる検査になります。精液検査や触診ではわからない精巣の状態を精密に検査することができます。
3.抗精子抗体
精子に対する抗体があるかどうかを血液検査によって調べます。

男性不妊の検査結果と基準

男性不妊の診断基準は世界共通で、WHO(世界保健機関)が定めている基準を基に診断されます。

精液 1.5ml以上
pH 7.2以上
精子濃度 1ml中に1500万以上
総精子数 1ml中に3900万以上※3900万未満の場合は乏精子症
精子運動率 40%以上※40%未満の場合は精子無力症
正常形態精子率 4%以上

引用:ヒト精液検査と手技-WHO(世界保険機関)マニュアル

これが言わば「男の妊娠させる力」を測定するもので、最低基準よりも低い数値になると不妊の可能性ありという風に判断されます。

男性不妊の検査費用

泌尿器科で受けるオーソドックスな不妊検査(問診・精液検査)は医療保険が適用されます。

相場で1,000~5,000円(保険適用費用)ですが、病院・クリニックによって費用は異なるので、具体的な費用が気になる人は検査してもらう病院に問い合わせてみましょう。